​小学校・低学年の課題

○比較(類比と対比)、順序(過程・展開・変化・発展)

 子どもたちは虫が好きですが、例えばカブトムシ、モンシロチョウ、アリ、クモについて考えてみます。すぐに思いつく方法は、これらを<比べてみる>という方法です。比べて同じところに目をつけてみると、カブトムシ、モンシロチョウ、アリは、体が三つに分かれていて足が6本だ、ということになります。このように、比べてみて同じところに目をつける見方・考え方を<類比、くり返し>と言います。ところがクモは他の三つとはちがいます。このように、違いに目をつける見方・考え方を<対比>と言います。
 <順序>という見方・考え方、というのは、こん虫でいうと、育ち方の順序などがあります。
 算数などでも、答えが間違っていたりしたら、正しい答えと類比したり、対比したり、計算の順序を考えたり、よく使われる方法です。
 文芸作品を読むときにも、人物がいつもしていることを類比すると、その人物がどんな人物か分かったりします。また、よいおじいさんと悪玉のおじいさんとを対比することで、おじいさんがどんな人物かというのがよく分かったりします。
 人物の類比・対比だけではありません。場面と場面を類比したり、対比したりすることもあります。いろいろです。
 ふだん何気なく使っている方法ですが、これらの見方・考え方を、意識して使えるようになると、子どもたちの考える力も育つはずです。
 これらの方法を身につけさせるには、何回もくり返し使うことが必要です。つまり全教科を通して、これらの方法をつかっていくべきです。 このように低学年では、比べて同じところに目をつける見方・考え方(類比、くり返し)、比べて違いに目をつける見方・考え方(対比)、それから、順序に目をつける見方・考え方を重点的に、しかも国語だけではなくて全教科を通じて、分からせていきたいです。順序というのは、時間的・過程的な順序、物語の展開、変化・発展などいろいろあります。
 文芸研が主張している認識の方法(ものごとを認識する方法)の中で、最も基本的で、だからこそ最も大事な方法は、比較(類比・対比)してものごとをみるという方法です。大事だからこそ、一年から教えるわけです。いわば、それを典型的な形で教えることのできる教材こそ、低学年の教材としてふさわしいと言えます。 それから、低学年のうちから<人物><語り手(話者)>という用語にも慣れさせるようにしたいです。作品を味わう上で、混乱を少なくするためです。
 <類比><対比>という用語が難しいならば、<くり返し>とか<ちがい>という用語に置き換えて教えたらいいと思います。
 具体的な教材を使って,これらの見方・考え方を,<1年・2年の教材>で簡単に説明しています。